中央競馬2015年のフィナーレを飾る有馬記念(G1、芝2500メートル、27日=中山)の枠順が24日、確定した。
2年目でG1初騎乗が決まったばかりの石川裕紀人騎手(20=相沢)に、連日幸運の女神が舞い降りた。8番目で迎えた枠順抽選。緊張の面持ちで、オーシャンブルー(牡7、池江)の「O」を選択した。引き当てたのは誰もが望む内枠、それも1枠1番だ。美浦の会場がどよめき、栗東の池江師が「よし」と声を上げる大仕事。若武者も「池江厩舎の方も内枠が欲しかったと思う。安心してください、内枠です」。白い歯とともに“とにかく明るい石川”がちゃめっ気を見せた。
大観衆に縁がある。騎手初勝利は昨年6月1日のダービーデー。14万人近くが見守る東京競馬場で、先頭を駆け抜けた。「すごい数だった。本当にうれしかった」。あれから1年半、電撃依頼で初G1騎乗がかなった。「へえ~! って。めっちゃびっくりしましたよ。びっくりしすぎて、言葉が出ませんでした」。しかも、暮れのグランプリがその舞台だ。「競馬といえば、ダービーか有馬。それくらいのイメージですよね。本当にありがたい」と頭を下げる。
持ち味のエネルギッシュな追いっぷりで、今年39勝(20日現在)は昨年(12勝)の3倍増。池江師も「若手の有望株。こういう大舞台でも伸び伸びと乗ってもらいたい」と温かく見守る。石川は「めちゃめちゃ緊張するだろうなあ」と頭をかきつつ「最短距離を通れ、闘争心を引き出せる枠も引けた。思い切って行きたいです」と腹を決めた。オーシャンブルーは3年前にゴールドシップの2着。当時も10番人気の低評価だった。無欲の手綱さばきが、とにかく明るい結末をたぐり寄せるかもしれない。【柏山自夢】
◆石川裕紀人(いしかわ・ゆきと)1995年(平7)9月22日、東京都出身。11年4月に競馬学校入学、14年2月卒業。14年3月1日にミストフェリーズでデビュー(11着)、同年6月1日にニシノソラカラで初勝利。JRA通算1040戦51勝(20日現在)。目標の騎手はライアン・ムーア。
2chSCの声
石川裕紀人騎手がオーシャンブルー号での有馬記念騎乗が24日決定した。
二年目での有馬記念騎乗は武豊騎手、三浦騎手に続いて三人目。
美浦の二年目の若武者と三年前の有馬記念2着馬の走りに期待がかかる。